「先生と藤牧さんは、翔平と中学のクラスメイトだったんですよね。」
「はい。」
「実は私は彼と高校が一緒で、サッカー部のマネ-ジャーをやってたんです。」
「そうだったんですか?」
「見えませんか?」
「そんなことはないですけど・・・。」
恵の返事を聞いて、薄い笑いを浮かべた朱莉は
「当時の翔平は、あなたもご存じかもしれないけど、とにかくモテた。そりゃそうですよね、あれだけのイケメンで、サッカー選手としても凄いプレーヤーで、モテない方がおかしい。」
と続ける。
「はぁ・・・。」
「でも当の翔平はそんな周囲に全く無関心だった。ラブレターは山のように来たし、告白されてる現場を何度目撃したか。でも、彼は全く心を動かされることはなかった。それは彼の心の中には、大切な人がいたから。それが誰だか、先生には当然お分かりですよね?」
恵はコクリと頷く。
「当時から彼は言ってました。俺はもう1度未来に会うために絶対に有名なサッカー選手になるって。そう、『藤牧未来』という名前を彼の口から何度聞かされたことか。私の2コ下のマネージャーなんて、翔平に憧れて、ウチの高校に入って来たのに、そんな話を聞かされて、告白するチャンスすら与えてもらえなくて、憤慨してましたよ。」
「・・・。」
「そして、そのまま彼は卒業して行き、Jリーガーになった。すっかり遠い存在となった翔平と私が再会したのは、それから6年後。彼はJリーグでの成績が認められ、ドイツに活躍の場を移し、私は叔父の経営するホテルグループに就職して、仕事でドイツに行く機会が増えていた。ある時、彼のチームのパーティーがウチのホテルで開かれ、スタッフとして参加していた私はその時、彼と再会したんです。」
信号待ちになり、朱莉は横の恵に視線を送る。
「久しぶりに彼に会って、正直変わってないなって思いました。何事にも真っすぐでひたむきで、いつも明るくて。全然驕ったところなんかなくて。それだけに凄く違和感を感じました。」
「はい。」
「実は私は彼と高校が一緒で、サッカー部のマネ-ジャーをやってたんです。」
「そうだったんですか?」
「見えませんか?」
「そんなことはないですけど・・・。」
恵の返事を聞いて、薄い笑いを浮かべた朱莉は
「当時の翔平は、あなたもご存じかもしれないけど、とにかくモテた。そりゃそうですよね、あれだけのイケメンで、サッカー選手としても凄いプレーヤーで、モテない方がおかしい。」
と続ける。
「はぁ・・・。」
「でも当の翔平はそんな周囲に全く無関心だった。ラブレターは山のように来たし、告白されてる現場を何度目撃したか。でも、彼は全く心を動かされることはなかった。それは彼の心の中には、大切な人がいたから。それが誰だか、先生には当然お分かりですよね?」
恵はコクリと頷く。
「当時から彼は言ってました。俺はもう1度未来に会うために絶対に有名なサッカー選手になるって。そう、『藤牧未来』という名前を彼の口から何度聞かされたことか。私の2コ下のマネージャーなんて、翔平に憧れて、ウチの高校に入って来たのに、そんな話を聞かされて、告白するチャンスすら与えてもらえなくて、憤慨してましたよ。」
「・・・。」
「そして、そのまま彼は卒業して行き、Jリーガーになった。すっかり遠い存在となった翔平と私が再会したのは、それから6年後。彼はJリーグでの成績が認められ、ドイツに活躍の場を移し、私は叔父の経営するホテルグループに就職して、仕事でドイツに行く機会が増えていた。ある時、彼のチームのパーティーがウチのホテルで開かれ、スタッフとして参加していた私はその時、彼と再会したんです。」
信号待ちになり、朱莉は横の恵に視線を送る。
「久しぶりに彼に会って、正直変わってないなって思いました。何事にも真っすぐでひたむきで、いつも明るくて。全然驕ったところなんかなくて。それだけに凄く違和感を感じました。」


