「それ、泉にも言われた。でも、付き合ってなんかないよ。でも、何でそう思ったの?」
泉は同じ部活だから私と湊のことよく見てるからまだ分かる。
だけど、部活以外の時間は私と湊の接点はほとんどないと思うんだよね。
「あー、部活終わって帰るとき、たまに2人を見かけるんだよね。そのときの髙橋さん、すごくリラックスした感じだし、1回、井上が髙橋さんのこと那奈って呼ぶの聞いちゃって」
別に隠してた訳じゃないけど、名前呼びを聞かれてたと思うと、ちょっと恥ずかしい。
「井上くんとは地元が一緒でね、私のこと心配して一緒に帰ってくれてるの。それだけだよ」
私が言うと、山本くんは一瞬天井を仰いだ。
そして息を吐きだし、顔を前に戻した。
「教えてくれてありがとね。あとさ、月曜日、頑張ろうぜ」
山本くんは、右手で拳を作って勢いよく自分の胸の前に突き出して、生物室を出て行った。
結局何の質問だったのかよく分からなかったけど、山本くんが元気ならそれでいいや。


