犬猿☆ラブコンフリクト

茉弘side



体育館へと行き、いつも通りマネージャーの仕事をする。



周りは、由紀に対して少し距離があるように感じるけど、私が間を取り持つ形で何とかその場の空気を保つ。



ドリンク作りも、由紀と2人で作っていた。



何個目かのドリンクを作ろうとした時、ガラッと扉が開く。



「なぁ、ドリンク──うぉっ!?」



二海が来た、そう思った瞬間顔を出した二海に作り終わったボトルを投げる。



それを、慌てながらキャッチした。



「私偉いからもう作ってありまーす」



こうしたのには理由がある。



さっき、茂木先輩と話してた由紀が、二海に会いたくないと話していたから。



なるべく接触させないようにしてあげないと。



「渡し方ってもんがなってねぇなお前、三島を見習えってんだ」



「!」



隣でボトルを作っていた由紀が、ピクリと反応する。



手を止めたままうつむいている由紀。



「ハイハイ、わかったんで練習に戻ってくださーい」



「残念でしたぁ!今休憩中でーす」



二海を追い出そうとしたけど、追い出せず。



水道場があるところまで歩み寄ってきて、私の正面に立つ。



「あとどのぐらいで終わんの?」



「この1本で終わるけど?」



「オメーはだろ?三島のはまだ2本残ってんだから手伝ってやれよ。三島もなんとか言った方がいいぜ」



由紀の方を見ながら声をかける二海。



昨日、由紀が勢いで告白したはずなのに・・・二海はいつも通りだ。



「え、いや・・・別に」



「つーわけだから、辻本これ追加な」



由紀の近くに置いてあったボトルを私に押し付けてくる二海。



しかも、押し付けるだけ押し付けてじゃーな、と立ち去っていく。



何がしたかったんだ?



そう思いながら、二海に押し付けられたボトルを作った。