茉弘side
翌日、学校に行くと由紀は来ていなかった。
やっぱり、あんな事あった後だと来づらいよね。
周りも、由紀が暴言を吐いてたってことを皆も知ってしまったみたいでその話題で持ちきりだ。
あのマドンナが暴言吐いたんだとよ、とか、猫かぶってたってこと?とか次々と出てくる。
そんな中、教室の扉が開いた。
扉を開けたのは話題の中心にいた由紀だ。
由紀が来たことでさらにヒソヒソと由紀のことを話し出すクラスメイト。
由紀は、少し傷付いたような表情をしながら席に向かった。
誰も味方がいない状況って、嫌だよね。
誰かに、一緒にいて欲しいと思うよね。
たとえ、嫌いな人だとしても。
そう考えた私は、由紀の元へと歩み寄る。
「由紀、おはよう」
「・・・茉弘・・・」
ゆっくりと顔を上げた由紀は、少し驚いたような表情をしていた。
その目は、少し赤くなっているように見える。
「今日来るの遅いから心配してたんだよ〜!!何、寝坊した?」
「・・・昨日のこと、忘れたの?」
私の言葉に、うつむきながら口を開く由紀。
やっぱり、昨日のこと気にしてるよね。
「ううん、覚えてるよ」
覚えてるよ、一言一句間違えずに言えるもん。
だけど、それでも・・・。
「っ──・・・!!だったらなんでっ・・・!!」
「だって、あれ由紀の本音でしょ?ずっと我慢させてたんだってわかったし、むしろ言ってもらえてよかったよ。ホラ、私鈍いからさ。言ってもらわないとわかんないし」
二海の件だって、言われるまで全然気付かなかったし。
由紀のことだって変だな、とは思ったけどそこまで思い詰めているとは思わなかった。
だから、言ってもらえてよかったと思う。
まぁ・・・言い方は、ちょっと優しくして欲しいとは思ったけど。
「だからって──・・・何も思わないわけ?私、かなり酷いこと言ったんだよ?」
「んー・・・別に?そんなことよりさ、1限目の課題!後半終わんなくてさ!見せて欲しいんだけど・・・ダメ?」
両手を合わせて由紀に頼み込む。
ダメかな、なんて首を傾げるけど由紀は答えない。
「・・・本当、アンタには敵わないわ」
そう思ってた時、少し間を開けて困ったように笑う由紀。
いつもの笑顔とは違って、自然と出てきたみたいな笑顔だった。
「課題、私もやってないんだ。だから見せらんない」
アハハ、と笑いながら意外なことを言う由紀。
由紀が課題やってないなんて珍しい・・・やっぱり、昨日のことを引きずってたのかな?
「マジ!?アッハハハ、仲間〜!!ねぇ、一緒にやろ!まだ時間あるし、由紀ならパパっと解けちゃうでしょ?」
「!・・・課題やるのめんどくさぁい」
「わかるー!!でもやんないとセンセー怖いよ?鬼の形相で“ゴルァ、辻本ぉ!!”って怒るもん。こーんな顔して!」
そう言って、自分の目をひきつらせるようにひっぱりながら先生の真似をする。
あの先生は元々つり目なこともあって、かなりの怖さで睨みつけてくる。
「わかったわかった、妙な顔芸してないでさっさと終わらそ」
「だってほんとにこんな感じじゃん!!ギーッて睨んでくるの!!あー怖い」
そんなことを考えながら課題を取りに戻る。
そして、課題を持って由紀の近くの席を借りて課題を始めた。
翌日、学校に行くと由紀は来ていなかった。
やっぱり、あんな事あった後だと来づらいよね。
周りも、由紀が暴言を吐いてたってことを皆も知ってしまったみたいでその話題で持ちきりだ。
あのマドンナが暴言吐いたんだとよ、とか、猫かぶってたってこと?とか次々と出てくる。
そんな中、教室の扉が開いた。
扉を開けたのは話題の中心にいた由紀だ。
由紀が来たことでさらにヒソヒソと由紀のことを話し出すクラスメイト。
由紀は、少し傷付いたような表情をしながら席に向かった。
誰も味方がいない状況って、嫌だよね。
誰かに、一緒にいて欲しいと思うよね。
たとえ、嫌いな人だとしても。
そう考えた私は、由紀の元へと歩み寄る。
「由紀、おはよう」
「・・・茉弘・・・」
ゆっくりと顔を上げた由紀は、少し驚いたような表情をしていた。
その目は、少し赤くなっているように見える。
「今日来るの遅いから心配してたんだよ〜!!何、寝坊した?」
「・・・昨日のこと、忘れたの?」
私の言葉に、うつむきながら口を開く由紀。
やっぱり、昨日のこと気にしてるよね。
「ううん、覚えてるよ」
覚えてるよ、一言一句間違えずに言えるもん。
だけど、それでも・・・。
「っ──・・・!!だったらなんでっ・・・!!」
「だって、あれ由紀の本音でしょ?ずっと我慢させてたんだってわかったし、むしろ言ってもらえてよかったよ。ホラ、私鈍いからさ。言ってもらわないとわかんないし」
二海の件だって、言われるまで全然気付かなかったし。
由紀のことだって変だな、とは思ったけどそこまで思い詰めているとは思わなかった。
だから、言ってもらえてよかったと思う。
まぁ・・・言い方は、ちょっと優しくして欲しいとは思ったけど。
「だからって──・・・何も思わないわけ?私、かなり酷いこと言ったんだよ?」
「んー・・・別に?そんなことよりさ、1限目の課題!後半終わんなくてさ!見せて欲しいんだけど・・・ダメ?」
両手を合わせて由紀に頼み込む。
ダメかな、なんて首を傾げるけど由紀は答えない。
「・・・本当、アンタには敵わないわ」
そう思ってた時、少し間を開けて困ったように笑う由紀。
いつもの笑顔とは違って、自然と出てきたみたいな笑顔だった。
「課題、私もやってないんだ。だから見せらんない」
アハハ、と笑いながら意外なことを言う由紀。
由紀が課題やってないなんて珍しい・・・やっぱり、昨日のことを引きずってたのかな?
「マジ!?アッハハハ、仲間〜!!ねぇ、一緒にやろ!まだ時間あるし、由紀ならパパっと解けちゃうでしょ?」
「!・・・課題やるのめんどくさぁい」
「わかるー!!でもやんないとセンセー怖いよ?鬼の形相で“ゴルァ、辻本ぉ!!”って怒るもん。こーんな顔して!」
そう言って、自分の目をひきつらせるようにひっぱりながら先生の真似をする。
あの先生は元々つり目なこともあって、かなりの怖さで睨みつけてくる。
「わかったわかった、妙な顔芸してないでさっさと終わらそ」
「だってほんとにこんな感じじゃん!!ギーッて睨んでくるの!!あー怖い」
そんなことを考えながら課題を取りに戻る。
そして、課題を持って由紀の近くの席を借りて課題を始めた。



