期末テストも終わり、無事に夏休みに入った。
だけど、部活漬けの毎日で夏祭りや花火大会、海水浴やプールなんていう夏らしいイベントにはありつけないまま、夏休みが終了した。
「私の夏休みがァ〜・・・!!」
「毎日部活漬けだったもんね」
夏休み明けの学校で、由紀に愚痴をこぼしていた。
ほぼ毎日部活、部活、部活、部活・・・ちょっとは夏らしいイベントにありつきたかった。
「花火大会とか海水浴とか行きたかったんだけどぉ〜!!」
「来年に期待するしかないね」
「う〜・・・ヤダヤダ〜、私の夏休みを返せぇ〜!!」
私の夏休み、部活して課題やって終わっちゃったようなもんだもん。
やり直しを所望する。
「ふふっ、もうどうすることも出来ないよ。それより、次の授業の準備しよ?」
由紀に慰められながら次の授業の準備をする。
とは言っても、来週に迫った球技大会のメンバー決めなんだけど。
「ねぇ、由紀は球技大会なにに参加する?」
「私?うーん・・・まだ決めてないけど、元々バレー部だったし、今年もバレーかなとは思ってる」
少し考えながら答える由紀。
そっか、由紀はバレーか。
去年は全員バレー部のチームに当たって2回戦で負けちゃったんだっけ?
「茉弘は?どうするの?またバスケ?」
「うん、そのつもり。今年こそは優勝する!」
「去年惜しかったもんね」
手を握りしめ、決意表明をする。
去年の球技大会は悔しい思いしたから、絶対勝つ!
去年は悔しすぎて隠れて泣いたこともあったから、今年こそは優勝するんだ。
「でも、今年はうちのクラスバスケ部多いしいけるんじゃない?」
「私的には去年と同じチームで去年と同じ対戦相手でやりたいんだけどね」
「出た、負けず嫌い」
だってあれは勝てる試合だったもん。
なのにブザービートで・・・。
やばい、思い出したらムカついてきた。
キーンコーンカーンコーン
怒りがふつふつと湧き上がって来てる時、チャイムが鳴り響く。
「チャイム鳴ったね、私席に戻るよ」
「うん、またね」
由紀が自分の席に戻り、入れ替わりのように二海が私の隣の席につく。
そして、机に肘をついてこちらの方を見つめてきた。
「残念だったな、去年の雪辱を晴らせなくて」
勝ち誇ったかのような表情をしながら話しかけてくる二海。
コイツ・・・さっきの話聞いてたな。
「そりゃ、勝ち確な試合をブザービートで逆転されたら誰だってリベンジしたくなるよなぁ」
「それを理解してるなら煽らないでもらえませんかねぇ!」
こっちはリベンジしたくてもできないんだよ!
この悔しさは当事者じゃないと分からないでしょうね!
「んで?今回もこりずにバスケ選ぶのかよ」
「そうだけど、悪い?」
「いや、別に」
そう言って私から視線を外し、窓の外を見つめる二海。
何が言いたかったんだ?
そんなことを考えながら先生が教室に入ってくるのを見つめた。



