犬猿☆ラブコンフリクト


予想外な判明があってから、時間はすぎ放課後。



2年生主体になってからも、変わらずに練習が始まった。



残ってくれた茂木先輩が、次はこれやるからなどのアドバイスを受けながら進めていく。



私と由紀はいつもの通りにドリンク作りをしているんだけど・・・。



「なぁ、ドリンクまだ?」



体育館の扉を開け放ち、こっちへ向かってくるのは二海だった。



ほら来た、二海のドリンク催促。



「アンタ・・・ほんとに急かすの好きだね」



作りかけのドリンクを置き、出来たばかりのドリンクを二海に手渡す。



「お、サンキュー──うえ、不味い」



「だから、不味いなら飲まないでって何回も・・・はぁ〜・・・」



嬉しそうにしながら口をつけて飲み始める二海。



なのに、恒例行事みたいに不味いと言われてしまう。



毎回のように催促されて不味いって言われる身にもなれってんだ。



「・・・う・・・し・・・か・・・し・・・」



「由紀?」



ボソッと聞こえた由紀の声、だけど聞き取れなくて由紀の名前を呼ぶ。



由紀の表情・・・なんだか・・・怖い?



「・・・嬉しそうな顔、してるなーと思って。いつも不味いって言いながらさ」



「!」



ボトルを作る手を止め、二海の顔を見てはっきりと口にした由紀。



その言葉に、少し目を見開いた二海。



どうしたの・・・由紀、なんか様子が・・・。



「二海くんって、天邪鬼(あまのじゃく)だったりする?」



「・・・いや、そんなことねぇと思うけど」



「ふぅん・・・そっか」



それだけ聞くと、由紀はボトルを作り始めた。



なんだったんだろ・・・今の。



「茉弘、早くドリンク作っちゃお。みんな待ってるから」



「う、うん」