犬猿☆ラブコンフリクト


体育館につくなり、茂木先輩が私達の所に駆け寄ってきた。



「良かった、ちょっとお願いがあるんだ」



「おねがい?」



私達の近くに来た茂木先輩のお願い。



心当たりがない私は首を傾げた。



「物品の買い出しをお願いしたいんだ。1人はボトルを作る係として残ってもらいたいんだけど・・・」



うーんとうなりながら茂木先輩が口を開く。



備品の買い出しか。



最近少なくなってるもの多かったからな。



「なら、私が行きます。茉弘はボトル作って」



「わかった、気を付けてね」



茂木先輩の言葉に立候補する由紀。



その言葉に、素直に頷いた。



「由紀ちゃんありがとう。買うものはこのメモに書いてあるから」



「わかりました」



先輩からメモを受け取ると、そさくさと買い出しの準備を始める由紀。



「だけど、お店がある周辺は治安が悪いし1人じゃ心配だよね・・・うーん・・・」



そういうとうーんとうなり始める茂木先輩。



確かにこの近くって治安あんまり良くないイメージだけど・・・そこまでかな?



過保護な気もするけど・・・。



「・・・そうだ、二海。一緒に買い出し行ってくれるかな。気分転換も兼ねて」



「え、俺?」



白羽の矢が立ったのは、ボールを磨いていた二海だった。



突然名前を呼ばれ、キョトンとした表情を浮かべる二海。



「二海くん、手伝ってくれる?荷物も多くなりそうだし、手伝ってくれると嬉しいんだけど」



由紀が二海のことを見つめながら少しだけ首を傾げ、お願いをする。



こんなに可愛らしくお願いされたら断れないんじゃない?ってぐらい可愛いお願いの仕方だった。



「いや、遠慮します。最近スランプ気味なんでさすがに練習しねぇと」



だけど、二海から帰ってきた返答はNO。



「・・・・」



由紀の方を見ると、少しだけわなわなと震えているようだった。



どうかしたのかな?



「そうだよね・・・じゃあ、俺が行くよ。さすがに荷物も多いし」



そういうと、茂木先輩は自ら名乗りを上げた。



「いえ、大丈夫です。茂木さんも練習ありますし、1人で行ってきます」



由紀は、少し冷たく感じる口調で茂木先輩の申し出を断った。



由紀、なんか変・・・?



「・・・そう?じゃあ、お言葉に甘えてお願いしようかな」



茂木先輩は由紀の態度は気にも止めて無い様子で、買い出しに行こうとする由紀を見送る。



私は、由紀の態度が少し引っかかりつつもボトルを作りに外へ出た。