中間テストがあると聞いてから1週間、私は苦手な文系を中心に必死に勉強した。
理系は点数良くても文系がグダグダで負けました、なんて格好がつかないからね。
そしてテスト当日・・・4日間にわたりテストを受けた。
その結果が今日、返却される。
「よぉ、あほ面。出来栄えはどうだい?」
机に座ると、余裕そうな二海が自分の席で頬杖をつきながら声をかけてくる。
余裕ぶっていられるのも今のうち、目に物見せてやるんだから。
「ええ、そりゃもう」
二海の問いに自信満々に答える。
本当は文系はあまり解けなかったんだけど・・・文系は平均点取れればいい。
問題は、得意な理系をどこまで伸ばせるかだ。
「その自信、肩透かしにならないといいけどな」
「なるわけないでしょ!」
「お前らー、席つけよ。テスト返して行くぞー」
言い合いをしている最中に、先生が中間テストの成績表を持って中に入ってきた。
言い合いは中断せざるを得なくて、私は二海を横目で睨みつけたあと前を向いた。
「名前呼ばれたら取りに来い。青木ー」
次々に名前を呼ばれ、テストを受け取る皆。
そろそろ私の名前が呼ばれる番だけどどうなってるだろう・・・。
「次、辻本ー」
「あ、はい」
名前を呼ばれて先生の元へ成績表取りに行く。
「まぁ、がんばったんじゃないか?」
そんなことを言われながら差し出された成績表、それを受け取り席に戻りながら見る。
理系が80点越え、苦手な文系も50点は超えていた。
順位は38位、まぁまぁいいほうだろう。
「よしっ」
ガッツポーズを取りながら、席に座り二海の方を見る。
「さっ。次はアンタの番だよ、さっさと貰ってきな」
二海を促すとすぐに先生の元へと成績表を取りに行く。
先生から成績表を受け取り目を通し、自分の席へと戻ってきた。
「せーので同時に見せるからね」
「へいへい、せいぜい程度の低さに笑ってやるよ」
「っ・・・!せーのっ!!」
二海の言葉に腹を立てつつ、私は二海に、二海は私に成績表をせーので見せた。
「・・・あれ?」
「・・・は?」
これ、二海の・・・だよね?
順位・・・私と同じ38位なんだけど。
ってことはつまり・・・同点!?
「真似しないでよ!!」
「真似すんな!!」
私と二海が同じタイミングで同じ言葉を息ぴったりに言う。
二海は文系が、私は理系が点数が高かったようだ。
「つーか、これじゃ勝負になんねーじゃねーか!」
「仕方ないでしょ、点数同じだったんだから」
偶然にも二海と同じ点数で優劣はつけられない。
今回の勝負はお預けかな。
「いや、文系は俺が勝ってるから俺の勝ちな」
「それ言ったら理系は私が勝ってるから私の勝ちじゃん」
不毛な言い合いが続き、どっちが勝ったかとお互いが言い合う。
だけど同じ順位なのは変わらない。
結局、期末まで勝負はお預けになった。



