練習は順調に進んでいき、最終的に練習試合が始まった。
そして、私は由紀のスコア付けの先生をやっている。
「今のはココね、間違えやすいから気をつけて」
「うん、わかった。ありがと、茉弘」
自分のスコアも書きながら由紀のスコア表を見て指摘する。
由紀もだいぶ書き方に慣れてきたみたいだ。
この調子なら、私がいなくてもスコアをかける日が近い。
「ねぇ、茉弘ちゃん。今のスコアってどうなってる?」
タオルを首に巻いて額や頬を拭いながら私に声をかけてくる茂木先輩。
私はそれを聞いてスコア表を手渡した。
「こんな感じです」
茂木先輩に手渡すと、その後ろから二海がヒョコっと顔をのぞかせ、私のスコアを見る。
「うわ、字汚っ。これじゃ読めねーよ」
「はぁ!?そこまで汚くないでしょ!?」
二海は、茂木先輩の後ろからスコア表をみて声を上げる。
自分のを書いて由紀にも教えてだから早く書いたけど・・・そんなに汚い字では無いはずだ。
人に文句しか付けないんだから・・・!
「そんなことないと思うけどな。普通に読めるし」
「ほら〜、茂木先輩は読めるってさ!アンタの目が悪いんじゃないの!?眼科行きなよ!」
「人が読めるように書かないと意味がねぇの知らねぇのか?ほら、三島のはこんなに見やすい。三島を見習えよ」
由紀のスコア表を指さしながら、私のスコア表を批評する二海。
「まぁまぁ、2人共。そのぐらいにして。試合終わるから、次の準備して」
「・・・ウィーッス」
茂木先輩の言葉で、二海は茂木先輩から離れて次の試合の準備を始める。
茂木先輩、ナイスです・・・!
あのまま口喧嘩してたら体力も気力も根こそぎ無くなってた・・・!
「はい、スコア表ありがとう。次の試合も頼めるかな?」
「分かりました」
差し出されたスコア表を受け取り、返事を返す。
次は二海と茂木先輩も出るのか・・・ちゃんと記録つけなきゃ。
・・・あと、二海に文句言われるから次はちょっとキレイに書こ。



