学校まで行く途中も、二海はテンション高めに絡んできた。
今日、いいことでもあったのか?
そんな事を考えながら教室の中へと入っていく。
「おっ、辻本。よーやく復帰か?お前でも具合悪くなんだな〜」
「これでもまだ全回復してないんだから、やさしくしてよね」
クラスメイトからの発言に軽く返答をする。
そのまま机まで行き、荷物を置いて座席へと座る。
すると、目の前に由紀が心配そうに駆け寄ってきた。
「茉弘!大丈夫!?」
「大丈夫大丈夫。この前に比べたらマシだから、心配しないで」
心配そうな由紀に笑顔を見せながら答える。
そりゃ、しんどいって言ってた子が体育の最中にぶっ倒れたら心配するか。
「朝から元気モリモリって感じだったから心配しなくていいぞ、三島」
後ろから歩いてきた二海が私の頭に肘をおいて由紀に声をかける。
「ちょっ!邪魔なんだけど!」
「ほぉら、この通り」
二海の腕をどかすため、立ち上がって腕を振り上げる。
けど、二海は面白がりながら私の頭に肘をのせようとしてきた。
なに、今日ほんとにテンション変だな、コイツ。
「・・・・・・二海くん、今日テンション高いね」
「あ?そうか?普通だろ」
由紀も同じようなことを思ったらしく、二海に聞くけど本人には自覚がないらしい。
明らかにテンション高いだろ・・・。
「だって、昨日までとは全然違うよ?なにかいいことでもあった?」
「・・・そんな事ねーだろ、別になんでもねーよ」
そう言って、二海はフイッと視線を逸らして席へとつく。
二海の行動に首を傾げながらも、由紀のことを見る。
由紀は、席に腰掛けた二海のことを見ていた。
「やっぱり、今日テンションおかしいよね、二海のやつ」
「・・・うん、なんでだろうね。本人も自覚ないみたいだけど、昨日と一昨日はテンション低かったし」
昨日と一昨日はテンション低かった・・・?
2日とも私が休んでた時だ。
もしかして・・・私が休んでたからテンション低かった・・・とか?
いや、まさかね。



