原田くんの赤信号

「ところで、どうした今日は。なにか相談ごと?」

 質問だけを連発していれば、今度は原田くんがクエスチョンを寄越してくる。

「夏でもない秋にわざわざさ、本当はアイスのリベンジだけが目的じゃないでしょ?瑠美、なにかあったの?」

 引き延ばしにしていた愛の告白が目の前へ迫ってやって来れば、途端に詰まってしまうわたしの喉元。

「いや、実は……」
「なに」
「えーっと、バレンタインの……」
「バレンタイン?」
「今日は、原田くん……に……」

 言葉の合間合間、アイスに逃げては口を塞ぐ。もうそろそろ棒だけになりそうなそれが、その身をあらわにする頃には、確実に言わなくてはならない。

「だからね、そのぉ〜……」

 ほら、言うんだ。原田くんへの、わたしのこの気持ち。
 原田くんが好きですって、大好きですって。

「んーと……」

 繰り返し家で練習してきたセリフも出ずに、アイスばかりをひたすら食べていると、原田くんがこんなことを言ってきた。