翔平ったらね、ある朝小さな子供みたいに泣きながら、起きてきたことがあったのよ。『またダメだった、またいなくなっちゃった』って。
病室で、原田くんのお母さんが言っていたそんなこと。その時からもしかしたらと思ってはいたが、やはりそうだった。
「あの時も瑠美を助けるのに失敗してさ。もう無理だ、俺じゃできないーって、朝から超泣いてたんだ」
原田くんにとっては、前日に友だちを亡くしたばかりの登校。
自分の無力さに嘆きながら、再び過去へと戻ってきたが、どうしたら助けられるのか途方に暮れながら、目を真っ赤にして学校へ来てくれた。
「でも瑠美、俺に言ってくれたじゃん?」
そんなどん底の原田くんに、何も知らないわたしがどんな励ましを。
「今は辛くても、明るい未来のために頑張りなさいって。今日より明日はきっと楽しいし、明日よりきっとワクワクする明後日がやってくるってさ」
それは、お母さんが昔のわたしにくれた言葉だった。わたし自身、その言葉は今でも胸の片隅に置いていて、いつでも取り出せるようにしてある。
「俺はその言葉で心底思ったんだよ。ああそっか、ここで諦めちゃダメだ。明るい未来になるように努力しよう、頑張ろうって。瑠美を死なせちゃダメだって。だから、俺が瑠美を助けられたのは、瑠美のおかげなんだよ」
にこっと微笑む原田くんの髪をなびかせる、秋の風。
「原田くん……」
なんて優しい人なのだろう、と思った。
そして、どうしよう、とも思った。
わたしは原田くんが好き。好きでたまらない。
気付けば大きくなっていたこの気持ちを、逃す場所なんてどこにもない。
頑張ったのは原田くんで、わたしは彼の頑張りにも気付かずに、ただ変な人だと決めつけて、我儘に生きてきただけなのに。
「原田くん、本当にありがとう」
なんだか涙が溢れそうだった。
原田くんに出逢えて、原田くんを好きになれてよかったと、切に思った。
病室で、原田くんのお母さんが言っていたそんなこと。その時からもしかしたらと思ってはいたが、やはりそうだった。
「あの時も瑠美を助けるのに失敗してさ。もう無理だ、俺じゃできないーって、朝から超泣いてたんだ」
原田くんにとっては、前日に友だちを亡くしたばかりの登校。
自分の無力さに嘆きながら、再び過去へと戻ってきたが、どうしたら助けられるのか途方に暮れながら、目を真っ赤にして学校へ来てくれた。
「でも瑠美、俺に言ってくれたじゃん?」
そんなどん底の原田くんに、何も知らないわたしがどんな励ましを。
「今は辛くても、明るい未来のために頑張りなさいって。今日より明日はきっと楽しいし、明日よりきっとワクワクする明後日がやってくるってさ」
それは、お母さんが昔のわたしにくれた言葉だった。わたし自身、その言葉は今でも胸の片隅に置いていて、いつでも取り出せるようにしてある。
「俺はその言葉で心底思ったんだよ。ああそっか、ここで諦めちゃダメだ。明るい未来になるように努力しよう、頑張ろうって。瑠美を死なせちゃダメだって。だから、俺が瑠美を助けられたのは、瑠美のおかげなんだよ」
にこっと微笑む原田くんの髪をなびかせる、秋の風。
「原田くん……」
なんて優しい人なのだろう、と思った。
そして、どうしよう、とも思った。
わたしは原田くんが好き。好きでたまらない。
気付けば大きくなっていたこの気持ちを、逃す場所なんてどこにもない。
頑張ったのは原田くんで、わたしは彼の頑張りにも気付かずに、ただ変な人だと決めつけて、我儘に生きてきただけなのに。
「原田くん、本当にありがとう」
なんだか涙が溢れそうだった。
原田くんに出逢えて、原田くんを好きになれてよかったと、切に思った。



