そんな出来事以来、ずっと先輩のことを目で追ってしまう。考えちゃう。

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 日々が過ぎていって、高校二年生になった。六月。

「スーパーで、七夕イベントやります。お店の入口に大きな笹を飾って、短冊も置いて、お客様にお願いごと書いてもらうんだけど、バイトさんたちも書きたかったらどんどん書いてね!」

って社員さんが言っていて。


 今、休憩室で願い事を書いている。

 横にパートさんが座ってきて「私も書こうかしら」って。黄色い短冊に書きながら、私たちに七夕の知識を教えてくれている。

「七夕の短冊の色には、陰陽五行説が関連していてね、木は青で、人間力を……」

 普段なら気になる話題だけど、今は頭に全く入ってこない。目の前には先輩がいて、彼も願い事を書いていて。

 青い短冊に、先輩はどんな願い事を書いているんだろうって気になっているから。

 書き終えると、まだバイトが始まるまで時間あったから三人で飾りに行った。

 先輩の短冊を飾る場所、こっそりチェックした。