高校生の男女がひとつ屋根の下って、

もっとドキドキでハラハラでトラブル続出の何かがどうにかなっちゃうようなものだと勝手に思ってた。


お風呂でバッティングしてお互いの裸見ちゃってキャー!とか、

寝ぼけて相手のベッドに間違えて入っちゃってワー!とか、

相手の知らない一面を垣間見てドキドキ、とか。


…何を心配してたんだろう。

相手はあのアホの申し子、キヤ。

そして、本物の男子よりイケメンと言われている、女子力皆無のこの私。

なんて色気のない組み合わせなんでしょう。

間違っても、間違わない。

心配していたことが急に恥ずかしくなってくる。




私は電気を消して、壁の方を向いて寝てみる。




…この壁の向こうに、キヤがいる。




口開けて涎を垂らして眠るキヤが容易に想像できて、ふ、と笑いがこみあげる。


明日の朝はちょっと早く起きて朝ごはん、頑張ってみようかな。


そんなことを思いながら私は目を閉じた。