「まりか、久しぶりだね、気分はどうだい?」

「あまりよくありません、でも、あなたの手術を受けないといけないなら仕方なく言う通りにします、だから神野さんに合わせてください」

彼は口角を上げてニヤッと笑った。

「まりか、君は彼に捨てられたんだよ」

「えっ?」

「君の病気は大したことはない、あの女医が出来ない手術といって、僕に押し付けた、つまり、彼から君を離したかったんだ、君が邪魔だったんだよ」

「そんな……」

「まりかも気づいているだろう、彼と女医は愛し合っていると……」

私は認めたくない事実を突きつけられて、焦りの色を隠せなかった。

「あの女医は、彼の前に急にまりかが現れて、戸惑ったんだよ、君を追い払いたかった、心あたりがあるんじゃないか」

確かにそう言われたら否定出来ないことがあった。

「君は僕の妻になり、あいつらとの関わりを断つんだ」
「でも、神野さんは東洋さんが関わるなと言ったって、私達が会えなくなることを嫌だと言ってくれました」