「分かった、いつまでも逃げていてもしょうがねえし、俺がその借金を払うよ」

リカもまりかも目を丸くした。

「それはダメです、そんなことしていただくなんて……」

「それじゃ、まりかはあいつの言いなりになるのか、冗談じゃねえ」

「そう言うつもりはありませんけど……」

俺は最高にムカついていた。

なぜだかわからねえけど、あいつは許せねえ。

俺はあいつに嫉妬していた。

毎晩抱いただと？おもしろくねえ。
この時、俺は味わったことがない自分の気持ちに気づかなかった。

神野さんに借金を払ってもらうなんて、私は迷惑かけるためにそばにいたいんじゃないのに……どうしよう。

でも神野さんは東洋さんに二億のお金を払ってくれた。

「まりか、もうお前は自由だ、あいつから逃げなくても済むぞ」

「はい、あのう、ちゃんと返しますから」

「そんなに頑張らなくていいから、俺が勝手に借金返済申し出たんだからな」

「でも、お言葉に甘えるわけにはいきません」

「それなら、俺の元で働けよ」