「先輩……あの……今日は本当にすみませんでしたっ」

 ──え?

 先に腰を折って謝ったのはモモだった。

「バカ……何でお前が謝るんだよ」

 呆れた調子で振り返るが、バツの悪そうにいつになく切れ長の目尻が垂れている。

 二、三歩進んで依然起き上がる気配のないモモの前に立った。

「あ、あたしが悪いんですっ。先輩はあんなに嫌がっていたのに、あたしはノコノコとついて行って……約束を破ってしまって……それにネットに落ちた時だって、パフォーマンスとしてごまかすことは出来た筈なんですっ、それなのに──」

「でもお前にあの約束を守る義理なんてなかったんだ。それに俺がタイミングを外したのはそんなことのせいじゃない……とにかく頭上げろって」

 更に進んでモモの眼下に凪徒の足先が入り、彼女が上半身を起こすのを待った。

 しばらくの沈黙にモモは申し訳なさそうに頭を戻し、そして──