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自分の部屋に友達(ラン)が居る。
嬉しくて嬉しくて、私には人生で1番と言って良い程に幸せを感じていた。

「これがいいかな?
……あ!でも、この服も似合いそう!」

クローゼットを覗き、自分のお気に入りの服を取り出してランに当てながら笑みが止まない。
服の趣味が全然違うかな?と思ったけど、ランは元々が可愛いから何でも似合いそうだ。
最初は彼女が好みそうな、なるべくシンプルで控えめな服を探していたが、今日はクリスマスと言う特別な日。
普段とは違う服装で、ライや後から来るツバサを驚かせるのもいいと思った私は、自分がちょっとしたパーティーの時に着るワンピースを取り出しランにすすめた。

「ね?このワンピースはどうかな?」

「っ、ええ?!私には可愛すぎないっ?」

「そんな事ないよ!絶対に似合うわ!」

「……っ、いいよ。やめとく!
こんなの着ても、笑われるだけだって」

苦笑いしながら手を自分の前で振り、ランはなかなかそのワンピースを受け取ってくれない。
そんなランの手を引いて、私は大きな鏡の前に連れて行くと彼女にワンピースを当てて言った。

「ほら!すごく可愛い〜!」

「っ、……へ、変だって!」

「大丈夫よ!これにしましょっ?髪もメイクも私がやるから!」

「で、でも……」

「今日はせっかくのクリスマスなんだもの!可愛くお洒落して、ライとツバサをビックリさせましょうよ!」

「っ……」

嬉しくて、楽しくて……。私にはランの反応を思いやる気持ちがなかった。
恥ずかしがっているだけなんだ、って。遠慮しているだけなんだ、って思って、強引に自分の意見を通してしまった。
浮かない表情で俯くランをよそに、ウキウキとどんな髪留めが似合うか?とか。どんなメイクにしようか?とか……。
ランの為にやっているようで、それが自分の気持ちの押し付けである事に……気付かなかったの。

「ーーレノアは、いつもそうだよね?」

ポツリッ、とその言葉が呟かれるまで……。