星の数






「ここ間違ってるじゃないか。私が気付かなかったら大きなミスになったんだぞ、感謝してくれ」



こんな風に言ってるけど、ちょっとのミス。そんな大事にはならないところだし。


ちょっとのことで偉そうに…このデブ社長が。



「ありがとうございます、社長」



いつもの笑顔が大事だ。


いかん、無理矢理上げたからほっぺがぷるぷるする。



「君には期待してるんだ、今後は気を付けてくれよ」



「はい、申し訳ありません」



社長の気持ち悪い視線を無視し、そそくさと部屋から出る。

下心が丸見えなんだよ変態ジジイがよ。



「先輩がミスをしてたんだって~」



「それで怒られてたんだ」



「珍しいね~」



ね~と口を合わせて言う。


うるせぇ…!

そう言うのはもっと聞こえないところで言え!いや言うな!!



ミスしたからなんなんだよ。誰だってするだろコノヤロー!!


てか気付いたなら自分で直せデブ肥満社長!!



「君が怒られるなんていつぶりかな?」



みんながコソコソ話すから面倒くさいやつが来ちゃったじゃん。



「さぁ…私がぼーっとしちゃってたんでしょうね」



あははーっと誤魔化す。


はよどっか行けタラシ男。



「……何かあった?」



「え?」



「いや、君は僕の記憶の中で仕事に対して真面目だった記憶があるんだけど……」



なんだい、ぼーってするのが珍しいってかい。



「きっと今日が週の終わりだから疲れが溜まってるんですよ」



私だって人間よ。ぼーってしたいときだってあるし、私をなんだと思ってんのさ。