▷2.


『っ…待ってくれ行かないでくれ……!』



必死に縋る姿にゴミでも見るような目を向けた。



『いちいちうるさいです。私にはあなたと関わるメリットはありません』



『…ゎ、私たちは、あなたをここまで育ててあげたのに見捨てるなんて……このっ、恩知らず!!』



私に手を上げようとしているクソババアの腕を掴む。



『恩?恩知らずなのはあなたちですよね?私はあなたたちのために体を崩してまでお金を稼ぎました。それを自分のために使い果たしたあなた方二人には失望しかないです』



それは救いようのないことですよね~。


自然と手に力がこもる。



『離してちょうだい!!!』



うわっ、私の手跡が……うわぁ…

自分の力強さに少し引いたわ。



それにしても、めっちゃ睨んでくるやん…腹立つな。


赤く腫れた腕を擦る者の、青白い顔を見下す。



『…私があなたたちに恩があるとすれば、この歳まで私を殴り育ててくれたたことですかね』



まあなんにせよ私にはメリットが一つもないんで。




さよなら、汚い親。



『待ちなさいっ!』



頬にバシッと衝撃が走った。


気ぃ抜いてたからぶたれた……。



『このまま逃げれると思わないで!!金を置いていきなさい!ほらあんたも!!』



『…っ…そうだ!!お前も、俺たちがこんなに生活に困っているのに助けないなんて、人として終わっているぞ!!』



なんなんこいつら……。


腹立つわ。



『そんなことを他人に言うなんて、人として恥ずかしいです。同じ人間として…元親として。今後私に関わらないでください。こっちが恥ずかしいですわ』




見ず知らずの他人や親戚に金をくれと要求してるようなもんだ。

失礼すぎる。礼儀は習わなかったのか。可哀想に。



『同じ人間とは思えないです。気持ち悪いですから触らないでください。さようなら』




『なっ…!!恥を知りなさい!逃げるな!!』



あーイライラするわ。

金がないなら自分たちで働け。いつまで元娘に頼ってんだ。情けないわホントに。


もう家を維持するのも難しいだろうな。

あの家とは関係なくなりました。

絶縁です。


めでたしめでたし。