冷徹御曹司は過保護な独占欲で、ママと愛娘を甘やかす

笑えるような心境じゃない。だけど私が不安で泣きそうな顔をしていたら、彼だって安らげない。彼を苦しめたくないから、私は笑顔を作った。

「はい。あなたを信じます」
「ありがとう。さあ、未来の寝顔を見ようかな。未来は一番被害を被っているな。外遊びがまったくできないんだから」
「今だけだと割り切って、絵本やお絵描きをしています。ジャングルジムでも遊んでいますよ」

私たちは和室に入り、未来を見下ろした。最近は豊さんもこの部屋に布団を敷き、三人川の字で寝ている。

「未来、色々なことが片付いたら、今度こそ大きな公園に行こうな」

未来に語り掛ける豊さんは父親の顔をしていた。頼りになる優しい顔だった。
未来は天下泰平の様子ですやすや寝息をたてていた。



『可世とまた会えなくなるかもしれない』

望から電話があったのは翌日だった。

「どういうこと?」

夕方、私は母から届けてもらった食材で夕食を作っている。未来は紙をちぎって遊んでいた。