「もう会うなと言ったな」
「はい」
「まだ未練があるのか?」
「ありません。未来のことで会っていたわけでもありません」
必死にかぶりを振るけれど、私がこの人にしているのはごまかしと嘘だ。いや、最初からそう。私はこの人に嘘をつき続けている。
未来を取られたくないばっかりに、父と娘を引き裂いている。
すると、豊さんの腕が私の手首をつかんだ。勢いよく引き寄せられ、抗う間もなく彼の腕の中に納まった。何をするのと見上げたら、唇を奪われた。
強引なキス。どうして、私とキスなんかするの? どうしてこんなときに?
そのままソファに組み敷かれた。豊さんの唇が私の顎、喉、鎖骨と下がっていく。リップ音をたて、何度も落とされるキスに、私は混乱した。
大きな手がシャツの下に滑り込み、下着の上から乳房にあてがわれる。
「や、めて! やめてください!」
圧し掛かってくる身体を両手で押し返した。しかし、逆につかまれて動けなくされてしまう。彼の腿が私の脚と脚の間にねじこまれた。
見つめる彼の目は獣じみていた。たぶん、このまま私の身体を自由にするつもりだ。
「抱くんですか? 妻としてお相手をすべきですか?」
私は怒りとも悲しみともつかない気持ちで、彼に問いかけた。
「あの日と同じ“八つ当たり”ですか? それとも気に入らない女への罰ですか? 好きにすればいいじゃないですか!」
「違う!」
怒鳴るような声が響いた。豊さんは自身の強い声音を恥じるように、顔をゆがめる。
「はい」
「まだ未練があるのか?」
「ありません。未来のことで会っていたわけでもありません」
必死にかぶりを振るけれど、私がこの人にしているのはごまかしと嘘だ。いや、最初からそう。私はこの人に嘘をつき続けている。
未来を取られたくないばっかりに、父と娘を引き裂いている。
すると、豊さんの腕が私の手首をつかんだ。勢いよく引き寄せられ、抗う間もなく彼の腕の中に納まった。何をするのと見上げたら、唇を奪われた。
強引なキス。どうして、私とキスなんかするの? どうしてこんなときに?
そのままソファに組み敷かれた。豊さんの唇が私の顎、喉、鎖骨と下がっていく。リップ音をたて、何度も落とされるキスに、私は混乱した。
大きな手がシャツの下に滑り込み、下着の上から乳房にあてがわれる。
「や、めて! やめてください!」
圧し掛かってくる身体を両手で押し返した。しかし、逆につかまれて動けなくされてしまう。彼の腿が私の脚と脚の間にねじこまれた。
見つめる彼の目は獣じみていた。たぶん、このまま私の身体を自由にするつもりだ。
「抱くんですか? 妻としてお相手をすべきですか?」
私は怒りとも悲しみともつかない気持ちで、彼に問いかけた。
「あの日と同じ“八つ当たり”ですか? それとも気に入らない女への罰ですか? 好きにすればいいじゃないですか!」
「違う!」
怒鳴るような声が響いた。豊さんは自身の強い声音を恥じるように、顔をゆがめる。



