そもそもわたしは、どうしてアイツのことを好きになったんだっけ。


自分の席に着いたわたしは、スクールバッグについている猫のキャラクターのキーホルダーに目をやる。


そうだ。きっかけは、あのときだ。



***


あれは、今から4年前。


わたしが、小学5年生だったときのこと。


『あれ!? ない、ないっ!』


放課後。昂輝と一緒に帰っていたわたしは、ピンクのランドセルにいつもついているはずの、猫のキャラクターのキーホルダーがないことに気づいた。


『うそ、どこかで落としたのかな?!』


あれは、去年昂輝がわたしの誕生日に初めてプレゼントしてくれた、大事なキーホルダーなのに。


『落としたって、バカだなぁひよは』


ぎゃははと笑う昂輝。


『もう! しょうがないじゃない。わたし、ちょっと探してくる!』