最後の恋って、なに?~Happy wedding?~


 仁菜が興味津々に食いつくのは無理もない。茉莉愛ちゃんとの諸々の一件があった時、彼女は別の仕事が入っていてその場に居合わせていなかったのだから。
 まぁもし居たとしたら、彼女の事だから口を挟みそうな気もするけど。

「それで真相は何があったの!?」
「うーん……たいした話じゃないんだけどね」

 やんわりと曖昧に説明しようとしたけれど、仁菜の性格上そうもいかない。根掘り葉掘り聞き出そうと質問の嵐で、結局ほぼ話してしまった。

「うわ、何それ。最低」

 眉間に皺を寄せ、軽蔑しているのは表情と口調からわかる。きっと他の子も私の事をそう思っているかもしれないと考えると少し複雑。
 ただ1つ言える事すれば……

「会社で揉め事を起こすとロクな事がないな」

 今回で肝に銘じた。学生の頃とは違うんだから噂だけで留まれば良いけれど、仕事に影響するような事になればマネージャーとしての責任だって問われるかもしれない。ましてや職場が夢や希望が詰まった《《結婚式場》》。恋愛云々のトラブルなんてとんでもない話だ。

「まぁでも、ここに限らず男女の揉め事なんてどこの職場でもあり得る話だからね。仕方ないと思うし、瑠歌が悪い訳じゃないから」

 フォローの言葉を掛けて気を使ってくれる仁菜に、私も『確かに考えていても仕方ないか』と納得するようにもした。