なにが……起こってる……?
頭の中が全部、ううん……全身がフリーズして固まり、動けなくなった。
驚きとか、『どうして?』って思う事が色々あるはずなのに……
だけどなぜか私は“嫌だ”と思えず、拒絶しなかった。
次から次へと普段の桐葉さんからは考えられない行動に、一瞬の瞬きもしないままゆっくりと唇が離れ、彼と目が合ったのも束の間。
今度は落ち着いた様子で、まるで壊れ物を扱うように優しくそっと抱きしめられた。
何がどうなっているのか思考が追いつかない。
だけど桐葉さんは冷静なまま
「もう……忘れてくれ」
寂しそうに呟くその言葉が耳に残り、背中に回っていた彼の腕の力が籠ったように感じる。
そこにはこの人からの優しさが伝わり、不思議と徐々に私の心も落ち着いてくる。
お酒も入っているからかな。
気付いたら、私も桐葉さんの背中に両手を添え、その優しさに応えていた───



