だから───
「1つ、教えて欲しい事があります」
なんとなく私が聞いてはいけない領域な気がして今まで触れていいのかと悩んでいたけれど、今聞かないとずっとモヤモヤした気持ちのままだと思うから。
「あの写真……あれは以前に桐葉さんの部屋で見たものと同じだと思うんです。あれって杉森さん……ですよね?」
まわりくどい質問をしたくなくて単刀直入に尋ねてみた。
どんな顔をするんだろう。どんな反応が返ってくるんだろう。不安と、そして恐怖が入り混じる。
けれど返って来た言葉は、私の想像とは違う意外なものだった───
「確かにあの写真は、俺の部屋でお前が見たのと同じだ。だがあれは、アイツじゃない」
「え……」
「杉森ではあるけどな」
どういう意味? 杉森さんであって杉森さんじゃないって、そんなの──
「まさか、姉妹……?」
「一卵性の双子だ」
「あーなるほど……」
通りで似ている訳だし間違えたのか。
だけど双子と聞いて更に謎が深まる。
「すみません、全然理解が追いついていないんですが……双子と写真の意味って、どういう事なのかイマイチ……」
「そうだよな……普通わからないよな……」
「はぁ……」
「いろいろと事情があってな……」
考えて喋ろうとしているのか、桐葉さんにしてば珍しく歯切れが悪い。
そうまでして詳細を聞くにはこちらとしても申し訳なくなる。
「無理に話さなくても……」
「いや、お前には伝えておきたいんだ」



