私の余計な言葉で、話が更に拗れて欲しくない。
これは2人の問題であって、私には関係のない事だから。
頭では十分理解していると思っていたのに――――
***
今日は明日の式当日の準備で各自、自分達の持ち場の作業に追われていた。
新郎新婦の担当者はスケジュールの最終打ち合わせ・他は会場の飾り付けから照明や音響等の確認に奮闘。
私もそれぞれの作業状況を把握しながら指示を仰いで忙しく時間が過ぎていく。
そのおかげもあって、凪と茉莉愛ちゃんの様子が気になる事もその後どうなったのか知る由もなかった―――
「雨、結構降ってきたなぁ。明日はやっぱり外は無理かな」
お昼過ぎ、傘を指して外階段を上から見下ろしながら私は独り言を呟く。
式前日の今日は、あいにくの雨。天気予報だと週末は残念ながら悪天候になりそうで、新郎新婦にも『不可能であれば外階段は使用しない』と了承済だった。
そうは言っても意外と予報が外れる場合もあるから、もしもの事を考えて使う方向も考えないといけない。急遽使うとしたら飾り付けはどうするか等を考えながらここでしばらくブツブツと悩んでいると、背後から『棗さん』と声を掛けられた。
『はい』と振り返ると、少し離れた先で傘を指して立っていたのは……茉莉愛ちゃん。



