翌朝、こっちのブルーな気分とは裏腹に天気は見事に快晴。
 本格的な梅雨入りにも関わらず今朝に限っては雲1つない青空なんて、嵐の前の静けさ? と少し疑ってしまうほど。

 昨夜は相当疲れていたのかあの後すぐにお風呂に入り、早く寝てしまった。
 今朝は二日酔いもなく身体は復活。なのに気持ちは若干どんよりしている。
 《《あの子》》に会うのが怖いからなんだろうけど。


 通常の出勤時間で職場に着いていつものように打刻を済ませると、自席で今日のスケジュール予定と引き出しからプランニングノートを取り出して仕事の準備を始めた。

 事務所に続々と他のスタッフ達も出勤してきて、その中に紛れて凪と一緒に入ってきた茉莉愛ちゃん。
 今朝もお互い楽しそうに笑いあい、どちらかともなく時に触れ合ってスキンシップをしている様子も窺える。
 毎朝一緒に出勤してきて相変わらず仲が良い事で。また泊まったりしたのかな。

 あんな楽しそうな彼の顔、もういつから見なくなったんだろ……

 凪が私に向けていた笑顔は、今はもう彼女のもの。
 そう思うと最近ふと考えさせられる。凪は私と別れたいと思った時からどんな想いで一緒にいたんだろうって。付き合って2年の月日が流れていくうちに、私は彼の心が見えなくなっていたのかもしれない。