私が断る事を見越して説得するために話に入って来たのか、それくらいタイミングがバッチリで、根負けして首を縦に振ってしまう。
「あ! それと支配人の歓迎会もしてなかったから、ちょうどいいし彼も誘おうよ!」
「え、支配人も?」
「そうそう! あの人さぁ~不愛想だからみんな怖がってるじゃん? だからこの際だから親睦会も含めてさっ」
不愛想って……確かに間違ってはいないか。
仁菜は遠慮なくハッキリ言う性格だからみんなの代弁がストレートだ。それに彼女はこういうイベント事が好きで何かと企画を立てたがる。
仁菜の意見に感化されたのか後輩達もまんざらでもなく、彼女の言葉を後押しして頷く。
まぁ私は良いけれど……《《当の本人》》の性格だと、たぶん絶対間違いなく参加しないと思うけど―――
***
「俺は結構だ」
桐葉さんの仕事がひと段落したのを見計らい、仁菜と2人で彼のデスクへと突撃し私の誕生日を伏せた上で『これから皆で飲みに行きましょう』と提案してみるも・・・あっさりと撃沈。
そう言うとは思った。性格もだんだんとわかってきたし、想定内の返しだけにさほど驚かなくなる。
「ダメですか? せっかくなので支配人の歓迎会もしたいんですが」
さすが仁菜。バッサリ断られても諦めず、首を縦に振るまでは粘るつもりかもしれない。



