最後の恋って、なに?~Happy wedding?~


 今日は20時頃には帰れそうだなって喜びながら両腕を天井に向けて大きく伸びをすると、20代の女子後輩のコが2人、笑顔で私のデスクへと駆け寄ってきた。

「瑠歌さん! この後って予定ありますか!?」
「予定……? 特にはないけど……」

 答えると、彼女達はお互いに顔を合わせて『良かった』と嬉しそうにアイコンタクトをし、また私の方に顔を向けて興奮気味に続ける。

「今日って、瑠歌さんのお誕生日ですよね!?」
「え……」
「もし今晩時間があれば、瑠歌さんのお祝いをしたいなって思って!」
「お祝い……?」
「他の人達にも声を掛けているんですが、どうですか!?」
「お店は予約取れますしっ!」

 キラキラした瞳を向けながら誘ってくれる2人の熱意に呆気に取られた。
 この時間からの飲みって……明日も仕事よね?

「今からって、さすがに遅い気が……。もう少し早い時間で次の日が休みの方がみんなも良いんじゃないかな?」

 やんわりと気分を害さない程度に断ってみたけれど、2人は『そうですよね……』と明らかにさっきとテンションが違い、シュンと表情に暗い影を落としてしまった。
 こんな顔をさせてしまうと、せっかく後輩達が私の為に企画して誘ってくれたのに申し訳ないって断り切れない私のダメなとこ。

「じゃ、じゃぁ少しだけなら―――」
「瑠歌ぁ~誕生日会! 来るよね!?」

 参加する意思を伝えようとすると、仁菜も話に加わってきた。