早朝6:00――
 日の出の時間が早く、外はもうだいぶ明るい。ここのところ悪天候続きで暗くジメジメとしていたのも、今朝は久しぶりに快晴で目を細めてしまうほどに太陽が眩しい。

 心配していた結婚式も、晴れたから外の演出も出来そうだし少し安心した。

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 職場に到着すると、すでに数人のスタッフが準備を始めていた。今日の主役の2人を担当しているプランナーを始め、ドレス・メイク・映像や音楽の機材担当者も続々と出社。皆、天気が良くなった事にホッと胸を撫でおろしながら笑顔も垣間見える。

「おはようございます、瑠歌さん!」
「おはよ。晴れて良かったよね。今日は頑張ろ」
「はい! 宜しくお願いしますっ」

 嬉しそうにニコニコと満面の笑みを浮かべながら駆け寄ってきた担当の子に私はあくまで《《いつもの朝》》を心掛けて、何事もなかったように平然とした態度で挨拶を交わした。

 正直、内心まだ少しドキドキしているんだけど……。

 一晩中、桐葉さんの家にいたなんて私自身が1番信じられない。もちろんそんなことを職場の人に言えるはずがなく、バレる訳にもいかない。《《何も》》なかったとは言え、騒ぎになるのは目に見えているし彼にも迷惑を掛ける事になるから。だから普段通りに。
 それに今日は大事な式当日。そんな事ばかり考えている場合じゃない。