え、今?
確かに1週間くらいで出来るとは聞いていたけれど、まさかこのタイミングで渡されるとは……。
せっかく届いたけど、まだ名刺入れ買ってないんだよね。今週は忙しくてそれどころじゃなかったし。
「忘れないうちにと思ってな。明日にでも使うかもしれないだろ」
「ありがとうございます……助かりました」
お礼を言いつつ中身を取り出して帯を外しデスクにしまおうと引き出しを開けると、桐葉さんが止めるように口を挟んだ。
「これを使え」
言いながら手渡されたのは、水色の15㎝くらいの長方形の小さな箱。赤いリボンまで施されていて、これは明らかにラッピングしているように見える。
「え、これって……」
まさか・・・桐葉さんからのプレゼント?
「いいから開けろ」
「あ、はい……」
急かされるまま、なぜくれたのか訊ねる間もなくすぐさまテープを取る事に。開けてみると、中にはライトブルーの名刺入れが・・
「もしかして私がまだ買ってない事を知っていたんですか?」
「勘だがな。けどどうせお前の事だ。今週は式の準備に追われて買いに行く暇もないと思ってな。ないと困るだろ」
「確かに……」
彼の《《勘》》に、率直に”凄い”って思った。なんでわかったんだろ。
まさか今日が《《特別な日》》……だから? って、それはないか。この人がそういうのを気にするようなタイプじゃなさそうだし。



