「そんな事…」と琉羽は言葉を失くす。
何をどう言えば…。
「このブレスレットはその時に落としたって事?」
雨哥は知らない。
唯一あの日起きていた事、やった事の中で知らないモノだった。
このブレスレットは苺美が残した最後の証だった。
どうしてこんな形で…。
全ては琉羽に教える、知らせる為?
分からない。もう誰にも分からない。
ただ残され、琉羽が
見付けた“確証”。
「雨哥…ずっと抱えてたんだね」と琉羽はもう一度強く優しく雨哥を抱き、包む。
琉羽は知ってしまった。
苺美の最後。
雨哥の起こしたやった事。
タキの事。
全てを聞いた琉羽はどうなるのだろう。
タキに言うべきなのか?
言わずに知られていないと貫くのか?
雨哥は考えていた。
琉羽が知ったと気付かれないようにすれば…良いのか?