「入ろうか」


私は、美蘭と旧図書館に入った。


暑いんだろう。と、思ったら……案外涼しかった。


美蘭は言う。

「ここ、幽霊居るんだ」

「ええ!」

「うそうそ。ここは、涼しく出来てるんだ」

「なんで?」

「本当に……いるとか?」


美蘭は、お化けの格好を作って私に見せた。


「ちょ、やめてよ(笑)」

「あははは」

美蘭は、真剣な顔になった。


「で?」

「へ?」

「昨日なんか、あったんだろう」

「へ!」

声が上擦った。


もしかして……気がついてる?