「もう体は大丈夫なのか?」
「うん!なんかね?髪が腰の辺りまで長くて、色は茶髪で、赤いドレスを着ていて優しそうな女の人が僕に赤色の液体が入った小瓶を渡してきたんだ。『これをあなたに。これを飲めば元気な体を手に入れる事が出来るわ。それと、原をよろしくね』って、言い残して消えて行ったんだ。その後、僕はその小瓶の液体を飲んで今ここにいるんだよ」
俺はその話を聞いて泣きそうになった。
心の中で、「原のお母さん、ありがとう」と呟いた。
原は当然のように言う。
「その人私のお母さんです」
「お詫びの印をくれたんだな」
「あ、後」
「なんだ?蒼生」
「城のルキ兄さんの部屋に行けば分かるよ。僕には分からないけど」
「わかった。蒼生。伝えてくれてありがとうな」
「うん!」
「まあ、楽しめ」
「うん!」
こうして5月のイベントは幕を閉じた。
片付けをして城に戻り自分の部屋原と一緒に行く。
〈ルキの部屋〉
案の定、枕元の棚の小さな箱が2つ置いてあった。
俺は直ぐに分かった。
〝指輪〟だ。
俺と原の。