「ねぇ」
私を呼ぶ声が聞こえて振り向く。
そこには、キメトさんが真剣な眼差しで私を見ていた。
「キミが……原さんだよね?」
「はい」
「ルキの恋人なのか?」
「え?それは……どういう」
どうやって答えればいいんだろう?
そう思っていたら丁度ルキさんが戻って来た。
その後ろには、ちょっとボロっとした龍一さんが歩いてきた。
それを、腠さんがなだめる。
「キメト。原に何か用か」
キメトさんは、口篭り言う。
「……なんでもない」そう言い、その場から歩き出そうとしたがルキさんにとめられた。
「何にもなくはないだろう」
キメトさんは、背を正しルキさんに向き直す。