私の力は、夜晴れた星空しか発揮ができない。
なぜそんな力を持っているのか?
それは、お母さんのおばあちゃんが魔法使いで、尚且つお父さんは吸血鬼なんだってだから、その力が娘の私に出たらしい。
前に、お母さんが出かけてる時にふと私に言ったことを思い出す。
『原、これはお母さんに内緒にして欲しいんだけど』
『なあに?お父さん』
『原には、兄弟姉妹の兄と姉が居るんだ』
『そうなの!わたし、会いたい!』
『そのうち、会えるよ。このことは、内緒な?お父さんと原の』
『うん!内緒話好き』
今では、お母さん、お父さんの事を思い出すと……心が痛い。
私もその場を後にした。
教室に戻ると美蘭が心配した顔で待っていた。
「大丈夫だったか?」
「……うん。」
「そのトーンは、そうでもなさそうだな。
家、戻るぞ」
「えええ!大丈夫だよ」
「いーや、ダメだ。」
美蘭は私に聞けない声で「ルキ兄に報告だな」と言って私の手首を掴んで教室を出た。
向かう先は、城。