バイトを始めて約2時間。



一颯くんに沢山教えて貰ってある程度のルールや金額、ものの場所や洗い方などは覚えることが出来た。



なかなか覚えること多かったけど何とか覚えてれ一安心。



と、店長から頂いた休憩時間に思いながらおやつを食べていると一颯くんも休憩室に入ってきた。






「おつー」



「おつかれ!」



「お前やっぱ頭いいよなー。異次元」



「そうかな?」



「ああ。俺あの量覚えるの2日かかったし。
お前は努力型の天才じゃなくて天性の天才なんだろうな。」






そんなことを言いながら私の食べているおやつを横から一緒にツマミ食べる一颯くん。



その顔は少し悔しそうで、私はなんとも言葉をかけられなかった。






「あ、そーいや、お前好きなやつとはどーなったんだよ。
夏休みなんだから遊んだりしたのか?」






何も答えなかった私に話題を変えて聞かれる質問に私は思わず立ち上がる。






「付き合ったの!!なんと!祭りの日に!!」






瑠璃佳と心遥には報告した時にはもう既に何故か知っていたからいい反応が貰えなかったが、一颯くんは私の言葉を聞くと目も口も驚いたように見開いた。






「まじかよ!?」



「うん!人生初めて恋が実って人生初彼氏なの!!」






私の言葉に信じられないとでも言いたげな顔をした一颯くん。






「だってお前が好きなのって花吹凪桜だろ?
イケメン高身長頭も良くて運動もできて性格は少しクールで男女から大人気のあの花吹凪桜だろ!?」



「えへへ、うん!なんで凪桜先輩だって知ってるの!?」



「そんなの少し調べたらわかるわ!
お前がしつこく花吹先輩の教室に通いつめてたって」



「そうだよー!もう押しまくった!」






そんなすぐ知られてしまうほど有名だったのは恥ずかしいけど結果付き合えたからいいんだ〜!