待ち合わせ場所の神社に着くともうみんな来ていて、私はとりあえず気持ちを切り替えて笑顔を作る。






「ごめんなさい遅れました!」



「ぜーんぜんっ!浴衣可愛いねっ!
ねっ、ナギくんっ?」



「うん、いいんじゃない?」






トト先輩の投げかけに頷く凪桜先輩に私は嬉しくなった。


やっぱり先輩はかっこいいなぁ。久々に見ると尚更!






「ルリ、足痛くなったら教えてね?」



「わかったぁ〜ありがとぉ〜」






優しいトラ先輩に可愛らしい笑顔で返す瑠璃佳をみて、なんだか夏休み前とは雰囲気が変わってるようで上手くいってるのかな?と微笑ましい。






「それじゃ、各々別れて楽しもうーっ!」



「は?別れて?」



「そうだよーっ!
付き合って初めての夏祭りなんだから各々2人で回りたいじゃんっ?ねっトラくんっ!」



「そうだよ、気きかせてよナギ」



「いやいや…」






聞いてない、とでも言いたげな凪桜先輩のことなんて気にもとめずトト先輩と心遥、トラ先輩と瑠璃佳はそれぞれ仲良く恋人繋ぎをして歩き出した。



それを眉間に皺を寄せて見届ける凪桜先輩に私はなんだか申し訳なくなってくる。






「すみません、私のせいでこんなことに」



「え?ふーちゃんのせいではないじゃん」



「でも私が先輩を好きだから皆気を使ってるんです」






私が最初に先輩を好きになって仲良くなったのに、私に魅力がないからほかの2人は付き合って先輩はそれに付き合わされて嫌な思いしてるんだろう。



そんな私の謝罪を先輩はキョトンとした顔で見た。