あれから数日。
夏休みも1週間ほど過ぎたけど、毎日一颯くんは来て片付けを手伝ってくれていた。
もちろんお母さんはあれから帰ってきてない。
思ったより片付けに時間がかかってしまったけど、今しがたようやく終わって新しい商品も並べ終えた。
「終わったー!」
「なかなか大変だったな」
「ほんと!でも一颯くんが手伝ってくれて助かったよ!」
「そりゃよかった」
ぶっきらぼうに返事をする一颯くんに私はお礼を込めて筆箱を渡した。
「ありがとう、これ良かったら貰って!」
「なに?金とんの?」
「取らないよ!プレゼント!」
「あっそ、貰っとくわ」
「うん!」
言葉ではそう言いながらも笑ってくれる一颯くんはいわゆるツンデレ?
「あ!ところで妹さんは何歳?
普段どんな服着てたりする?」
本来の目的を達成してなかったからいい物を渡せるようにと聞くと、一颯くんはスマホの画面を見せてくる。
そこにはふわふわの洋服を着てふわふわに髪を巻いて可愛らしいお顔の小学生くらいの女の子が写っていた。
「これ」
「えー!めっちゃ可愛い!」
「小4」
「そっかそっか!こんなに可愛い妹さんなんだねー!
そしたら〜、これとかどうかなっ?」
見た瞬間にビビッときたフリルの着いたピンクのトートバッグとポーチのセットを見せる。
この商品小中学生から人気なんだよね。


