「遅れてすみません!風子です!」






急いで走っても時間から1時間ほど遅刻して着いた私をトラ先輩の家の前で待っていたのは凪桜先輩1人。






「遅い」



「すみません!!本当にすみません!!」






土下座せんばかりの勢いで謝る私を呆れた顔で見る先輩。






「何かあったのかと思うから連絡くらいすること。わかった?」



「はい、すみません!
急いでくることしか頭にありませんでした」



「とにかく何も無くてよかったよ」






怒らずに呆れつつも心配して1時間も待ってくれる先輩に申し訳ないけどそんなとこも好き。






「あの、他の方々は!」






凪桜先輩が1人で玄関前に立っているのが違和感で聞くと、顔を顰める凪桜先輩。






「トトとハルちゃんはさっき帰った。なんか2人で過ごしたいだとかなんかで。
トラとルリちゃんは来た時からルリちゃんが精神不安定っぽくなってたから俺が家を出た。
でもふーちゃん来るだろうからここで待ってたんだよ」






呆れたような怒ったようななんとも言えない顔で説明する先輩に私は申し訳なさ倍増した。



トト先輩と心遥は本当にラブラブ過ぎて困るくらいだよ…。



トラ先輩と瑠璃佳は揉めてるって私のせいだったりする…?




どうしたものかと俯く私の頭を凪桜先輩はポンポンと叩く。






「ちょっと出かけるか」