「ハルちゃん僕と一緒あそぼっ!」
「2人でですか?」
「うん!ナギくんとトトくん達は一緒みたいだし大丈夫でしょっ!」
「いえ、私は1人でいいです」
ニコニコキラキラピンクオーラ全開で提案してくれるけどそれを素直に受け取れないのが私。
我ながら可愛くない。
トト先輩はこんなに可愛いのに女の私がこんなに可愛くなかったらそりゃ無理だ。やっぱ無理な恋愛なんてしない方がいい。
自分の中で自己完結して頷くと、トト先輩は首をかしげる。
「僕と2人はやだっ?」
「ま、まさか…でも私と遊んでも何も楽しくないですよ」
「そんなことないよっ!こう見えて僕結構ゲームするし、おどりのプリンスさましてるんだよーっ!」
「え、嘘でしょ」
私の大好きなゲームをしてる??
乙ゲーだよ??
私の事バカにしてる??
そんな私の心を読み取ったかのようにトト先輩はケータイのアプリを開いておどりのプリンスさまっを見せてくれた。
「ほんとにしてるんですね」
「うんっ!僕嘘つかないよーっ!」
「なんでしてるんですか?」
「んー、僕って身長低いし女々しい顔してるからモテなくって悩んでてこれのキャラみたいに可愛い系でいけばいいんだーって勉強のためっ!」
少し照れくさそうにそう笑うトト先輩は、2次元のキャラじゃなくちゃんとここに存在する生身の男子なんだと今更ながら感じた。
こんな人間っぽい表情もするんだ。
こんなに人間っぽい悩みを持って、可愛い人も苦労したりしたんだ。
そう思うと私は急にトト先輩を生身の男性として意識してしまう。


