先輩といろどる恋。˚✩





【心遥side】



風子の大事な日に瑠璃佳と喧嘩をしてしまった…。



やってしまった…。



風子のこと応援してるのに私が空気悪くしてどうすんだよ。




風子達を置いて走って園内の休憩所へ逃げるようにやってくると、周りにはカップルらしい人達ばかり。




今まで恋したことが無いわけじゃない。


小学生の時に好きな男子はいた。
だけど、私がオタクなのを知ったら『顔はいいのにオタクは無理、顔だけじゃん取り柄』とかその男子に言われてから現実の男が無理になった。




しかもその人は私の好みのかわいい系とは違って、なんにでも熱いタイプの人だったし。



今となってはあんなやつ好きになるかよこっちから願い下げだわって感じだけどね。






「はぁ…」






そういうの全部知ってるくせに、逃げてるだけとかなんだとか言いたい放題言われてムカついたんだ。



そりゃ、確かにトト先輩は可愛いし推せるとは思ってるけど私なんかが好きになったってどうしようも無いし。



瑠璃佳が全部悪いわけじゃない。むしろ喧嘩をふっかけたのは自分みたいなもんだから後で謝らないと。風子にも。




私がそんな反省をしていると、突然肩をポンポンと叩かれた。






「…なんで」






肩を叩いてきたのはちょうど考えていたところのトト先輩。



可愛らしい顔面に可愛らしい笑顔を浮かべてそこに立っていた。




風子には悪いけど私は圧倒的にトト先輩の顔の方が好き。






「逃げ足早いねハルちゃんっ!」






どうして追いかけてきたりするんですか?



そうやって私みたいに耐性のない人を弄んでるんですか?




ひねくれている私は先輩の優しさを素直に受け取れなくて、そんなことを考える。