「それよりほら、最初は何する?」
トラ先輩の優しい問いかけに私は食い気味に口を開く。
「最初はやっぱ観覧車です!!」
「いや観覧車は最初じゃなくないか?」
「最初です!!もちろん最後にも乗ります!!
2回乗りですよ!」
私には理想の遊園地デートがある。
最初と最後は観覧車。
最後の観覧車は最初とは違って甘い空気になるの!
その間のほかの乗り物は絶叫だったり、恐怖だったり出来れば疲れるものをして
最後の観覧車でバーンと甘い空気!!!
まぁ1度だって実現したことないですけど。
今日は実現させますよ!デートじゃないけど!!
そう意気込む私に凪桜先輩は本日三度目の小突きをした。
「却下。
デートじゃないからふーちゃんの理想のデートはしない」
「そんなぁ!!どうして理想のデートだと分かったんですかー!」
「顔でわかる。
それよりほら、ここ一番のジェットコースター行くぞ」
「初っ端にそれですか!!!」
クスクスと楽しそうに笑う先輩がかっこよくて、私は渋々先輩についてジェットコースターへと足を向ける。
それにしても私の考えてることが顔でわかるなんてそれはなんだか嬉しい。
「ふふ、風子がんばるんだよぉ〜」
凪桜先輩を追いかける私の後ろで瑠璃佳のそんな声が聞こえてきた気がした。


