遊園地に着くと、私の気分はまた上がった。
まだ夏前で過ごしやすい季節だしね。
そんな幸せな気持ちで少し前を行く先輩の後ろ姿を眺めていると、横からはぁ?と不穏な声が聞こえてきた。
「いつも思うけど私はあんたみたいに能天気じゃないんだよ。
コロコロ彼氏変えたり好きでもないやつと付き合うのも無理。
結局あんたは自分を好きなやつなら誰でもいいんじゃん」
「なんでそんな事言うのぉ〜!?ありえない!
心遥にルリの何がわかるのよぉ」
「そういうあんたは私の何を知ってんだ!」
何がどうしてそんな大喧嘩になってしまったのか自分の世界に入っていた私はわからず戸惑う。
前を歩く先輩達も驚いたように振り返る。
「もういい、1人で回る!
風子は楽しんで!」
「え、ちょっと心遥!」
心遥はそう言うとそのまま小走りで去っていってしまう。
どうしよう、と瑠璃佳を見ると瑠璃佳は珍しくぶすっとした顔を隠すことも無く怒った顔をしていた。
「何があったの…?」
「別にぃ〜、今の心遥の視線の先には常に同じ人がいるのに頑なにその気持ち否定するからそうやって否定しても楽しくないでしょ〜って言っただけぇ〜」
「あぁ…」
瑠璃佳も心遥の気持ちの変化に気づいたんだね。
でも心遥は素直じゃないからさっきの喧嘩の雰囲気も続けてであんなに怒っちゃったのかぁ。
特に心遥と瑠璃佳はクールなのとほんわかなのとで正反対だからなぁ。


