昼休み



昨日と同じくご飯を食べた私達は2年の教室へとやってきた。






「凪桜先輩いらっしゃいますか!」






3度目となるそんな声には流石にクラスの人達は笑ってくれて少し心が軽くなった。






「ナギは女の子から呼び出しで今はいないよ」



「トラ先輩!」






私の登場にそう言って笑いかけてくれたのは優男のトラ先輩。





「すぐ戻ってくると思うから待っとく?」



「そうさせてもらいます!」






優しい気遣いに感謝しながら、トラ先輩と凪桜先輩の席の近くで待つ。



待つ間、トラ先輩は人の良さそうな笑顔で私たちに話しかけてきた。






「ナギのどこが好きなの?」



「一目惚れなんですけど、顔はもちろん、冷たい性格も笑った顔も好きです!
もっと知っていって優しいところとかも知りたいですし、嫌いなところも好きになりたいです!」






好きな人のことは嫌いなところも含めて好きだから。


迷いのない私の言葉にトラ先輩はクスッと笑う。






「エネルギー溢れてるねふーちゃん」



「そうでしょうか!元気だねとはよく言われます!唯一の取り柄です!」



「あはは、ほんと面白いね。
ふーちゃんからは好きだって言ってるのに下心が見えないもん」



「下心?」






下心とは心に隠しているたくらみごと。ですね?



トラ先輩のそんな言葉に首を傾げながら私は口を開く。






「下心、ない訳では無いですよ!
どうやって仲良くなろうとかどうやって先輩のこと知ろうとかばっかり考えてます!
むしろ下心だらけです!」



「あはは、そっかそっか面白いね」






謎に面白いと言われて私は面白いことなんてひとつも言ってないけどな〜と思いながら首を傾げていると


隣にいた瑠璃佳がクスクスっと笑い始めた。