「風子は?将来の夢決まってんの?」
そんな先輩の質問に私は口ごもった。
本当は薬剤師になりたい。
でも6年間も通わなくちゃいけないし学費もかかる。
果たして援助のない私が行けるの?と。
「夢なんだから現実的なこと考えず言っていいんじゃない?」
「そっか、夢ですもんね!
実はずっと薬剤師になりたいと思ってました!」
夢を言うだけはただだし。と口にすると、凪桜先輩はクスッと笑う。
「なれるさ、夢を親なんかの都合で諦めるなんておかしい。
風子ならなれる」
なんの根拠もないそんな言葉だけど、凪桜先輩が言うとなんだか本当になれるような気になってくる。
やっぱり凪桜先輩は私の中で特別だ。
「私凪桜先輩に出会えて良かったです!!幸せものです!」
「また急に」
「急じゃありません!いつも思ってますよ!」
「はは、俺も風子が好きになってくれて良かったよ」
「ええーーなんですかそれ!!結婚しますか!?」
「あはは、なんでだよ」
私に好きになってもらえてよかったなんて最高に嬉しい言葉にテンション上がって言う私に笑う先輩。
あまりにも幸せな時間すぎる。


