「適当にくつろいでて」
「はい!」
凪桜先輩の思っていたより3倍くらい大きな家にお邪魔して凪桜先輩の部屋に通され、飲み物を取りに行く凪桜先輩。
この部屋全てが凪桜先輩の匂いがしてたまらない。
シンプルな青や黒が多い部屋に、マンガ本が結構並んでいて男の子らしい部屋。
もうその全てが愛おしいほどに好き。
「お待たせ。って、座りな」
緊張で通されたまま立ち尽くして部屋を見渡す私に笑いながら座らせる凪桜先輩。
彼氏の家に来るなんてこんなに最高なの?やばいです!!
「あ、えっと、なんで今日親いないんですか!?」
「え、仕事」
「お仕事!」
「父親も母親も医者だから。基本あんま家いない。
兄がいるけど兄もアメリカ留学してるし。」
「え、めっちゃ優秀家庭なのですね!?」
知らなかった衝撃事実に目が点になる。
ということは
「凪桜先輩もお医者様に?」
「いやー。別に次男だし好きにしていいしどうしようか迷ってるとこ」
「親御さんはお厳しいのですか?」
「緩いよ?
医者になれとか俺も兄も言われたことないし、成績も特に何も。
人としてしっかりしてればいいらしい」
「なるほど!大事ですね!」
そんな素敵なご両親だからこんなに素敵な先輩に育ったんだろうなぁ。
なんて見知らぬ凪桜先輩の両親に思いを馳せる。


