いつもスマートな洸さんが、うだうだと御託を並べている。
これは現実なの?
「……お湯。沸かしっぱなしでも俺に言われるまでいつも放置だし。ガス代もったいない。火の元危ない。緑茶も、沸かしたてのお湯使ってるだろ。渋くて苦いんだよ。もう少し冷ましてから……」
「もういいよ」
彼の言葉を遮るように言い放った。自分でもびっくりするくらい低い声が出た。
涙はもう、止まっていた。
「……だから、オマエみたいなのとは家庭を持つ気にはなれないよ」
先ほど緩めたネクタイをきゅっと締め直す彼。
きっと奥さんが選んでくれたネクタイ。ブルーの、冷たい色だけど、暖かい愛情を放つネクタイ。
「……私とは、遊びだったの」
「違うの? お互いそうだろ? オマエが妊娠なんてしちゃったから、もうお終い。そもそも俺、子どもって嫌いだし」
出したお茶には手をつけずに、彼は立ち上がる。
身体だけの関係なのか、そう悩んでいた時期もあった。
だけど、あんなに優しくしてくれたのは、やっぱり私が大事なんじゃなくて、私を逃がさないという彼の肉情からきたものだったのか。
「……ひどい」
これは現実なの?
「……お湯。沸かしっぱなしでも俺に言われるまでいつも放置だし。ガス代もったいない。火の元危ない。緑茶も、沸かしたてのお湯使ってるだろ。渋くて苦いんだよ。もう少し冷ましてから……」
「もういいよ」
彼の言葉を遮るように言い放った。自分でもびっくりするくらい低い声が出た。
涙はもう、止まっていた。
「……だから、オマエみたいなのとは家庭を持つ気にはなれないよ」
先ほど緩めたネクタイをきゅっと締め直す彼。
きっと奥さんが選んでくれたネクタイ。ブルーの、冷たい色だけど、暖かい愛情を放つネクタイ。
「……私とは、遊びだったの」
「違うの? お互いそうだろ? オマエが妊娠なんてしちゃったから、もうお終い。そもそも俺、子どもって嫌いだし」
出したお茶には手をつけずに、彼は立ち上がる。
身体だけの関係なのか、そう悩んでいた時期もあった。
だけど、あんなに優しくしてくれたのは、やっぱり私が大事なんじゃなくて、私を逃がさないという彼の肉情からきたものだったのか。
「……ひどい」



