「明莉ちゃんっ!」
あたししかいない委員会室にひょっこりと現れたのは、文化祭実行副委員長で黒岩先輩の友だち、柳井健一先輩だ。
柳井先輩は、いつも黒岩先輩に怒られたあたしを慰めてくれる優しい先輩。
黒岩先輩が悪魔なら、柳井先輩は天使だと、あたしは思っている。
「柳井先輩、おつかれさまです」
「おつかれ、今日も派手に誠に怒られてたね」
「はい……でも、今回ばかりはあたしのせいなので、黒岩先輩に怒られて当然です……」
まさか文化祭の“祭”を“察”って書くなんて。
そんなありえないミスに気づかなかったのは、完全にあたしのおごりだ。
「まぁ、そんなに落ちこまなくても大丈夫だよ。誠は明莉ちゃんが失敗してもいいように、事前の準備はしてたみたいだからね」
「えっ……?」
柳井先輩の言葉に、思わず声がこぼれる。



